木材の生物劣化基本情報
1.木材腐朽菌
(1)木材腐朽菌の被害
木材腐朽菌は、木材を腐らせる菌で、きのこの仲間です。そこで「~タケ」という名前が付いています。木材腐朽菌の本体は菌糸といわれる綿状のもので、胞子を作るために子実体(いわゆるキノコ)を形成します。子実体から胞子が飛んで移動し、発芽して菌糸となり木材を栄養として育ちます。
↑ナミダタケ(褐色腐朽菌)の菌糸
↑倒木に発生したカワラタケ(白色腐朽菌)の子実体
主に湿った木材が被害を受けますが、地面から水分を吸い上げ、乾燥した木材を濡らして被害を与える菌もあります。住宅の雨がかかる場所や、地面の湿気によって湿る床下、風呂、台所、洗面所など生活水がかかる場所に被害が集中しますが、雨漏りや結露があればどこでも被害の対象になります。
↑雨漏りにより激しく腐朽した柱
↑腐朽による間柱下部の欠損
ウッドデッキやフェンスなど、屋外の木製構築物は、構造上、水が溜まり易い場所に被害が集中します。また、木材の乾燥と共に起こる干割れという亀裂から雨水が浸入して滞留し、木材を腐朽させます。日当たりの悪い北側は、一度濡れるとなかなか乾かないため被害に遭いやすいです。
↑ウッドデッキ床板を切断。干割れから水が浸入し腐朽している。
(2)木材腐朽菌の種類
木材腐朽菌は褐色腐朽菌と白色腐朽菌の2つに分けられます。褐色腐朽菌によって木材が腐朽すると褐色に変色し、ブロック状に亀裂が入ります。腐朽部分を指で挟んでつぶすと粉状になります。
↑褐色腐朽菌による腐朽
一方、白色腐朽菌によって木材が腐朽すると白っぽくなり、腐朽部分が繊維状にほぐれるようになります。白色腐朽菌は屋外で広葉樹の倒木などに発生する菌で、住宅にはほとんど被害を与えません。
(3)木材腐朽菌の発見法
住宅については、床下や屋根裏の木部の変色、綿状の菌糸の付着を探します。疑わしい部分は、マイナスドライバーを突き刺してみたり、ハンマーで叩いてみます。腐朽していれば、ドライバーが簡単に刺さり、ハンマーで叩くと鈍い音がします。
↑床束の変色
↑土台を覆う菌糸
(4)木材腐朽菌対策
木材腐朽菌の被害に遭わないためには、第一に水のコントロールをすることです。雨水を建物内に侵入させない。台所、風呂、洗面所、トイレ、洗濯機周りなどの湿気や水漏れを防ぐ。断熱材の使用により結露を防ぐ。そして、万が一、木材が湿っても腐朽しないように防腐剤で処理することです。
住宅新築時には床組みや土台、柱、筋交いなどをシロアリ予防駆除剤により処理しますが、木部用のシロアリ予防駆除剤には木材防腐剤も配合されており、木材の腐朽も防ぎます。新築時だけでなく、5年毎の定期的な再処理により、防腐効果が持続します。
ウッドデッキ、フェンスなども新設時の防腐剤の塗布と、定期的な再処理が有効です。干割れの防腐処理には、エアゾールの防腐剤が便利です。
(善)
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