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建物外壁汚れ(藻類、地衣類、コケ類)基本情報

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5.建物外壁の汚れ(藻類・地衣類・コケ類)

(1) 建物外壁の汚れ
 建物外壁や塀に緑、黒、茶色、オレンジ色などの汚れが付着することがあります。特に雨で濡れると乾きにくい北面に多く発生します。汚れにより建物がみすぼらしく見え、建物の価値を下げてしまうなど、多大な悪影響があります。この汚れの原因は、ばい煙や塵芥など非生物による場合もありますが、主に気生藻類という陸上に生える藻、地衣類という藻とカビの共生体など、生物の仕業です。



    
                                                    
(2) 気生藻類
  ① 緑藻類
 緑藻類は海にいるアオノリの仲間で、陸上では黄緑~濃緑色で建物の外壁やブロック塀、ガードレールなどの金属に生えます。防藻剤により枯死すると緑色が抜けて白っぽくなり、白っぽい素地に生えているものは目立たなくなりますが、濃色の素地に生えているものが枯死すると白っぽく目立ちます。時間が経てば風雨で剥がれて目立たなくなります。濃緑色で建物外壁や塀の降雨時に水が流れる部分に生えるクレブソルミジウムは糸状の緑藻類です。黄緑色で街路樹の支柱木、ログハウスの壁面、板塀など木材によく生えるアパトコッカスは粒状の緑藻類で、建物外壁のサイディング表面や塗装面にも生えます。クロレラは粒状の緑藻類でガードレールなど夜間の結露により水分が供給される金属表面によく生えます。

 
↑クレブソルミジウム


↑クレブソルミジウムによる汚染

  
↑アパトコッカス


↑アパトコッカスによる汚染


↑クロレラ


↑クロレラによる汚染

  ② 藍藻類
 藍藻類は建物の外壁やブロック塀に数種の藍藻類が集まって、黒から黒褐色の藍藻群落を形成します。ブロック塀の植木により陰になる部分によく生えます。藍藻類はさやが着色しているため防藻剤により枯死しても色が消えず、時間が経って風雨により剥がれるまで汚れが落ちません。


↑藍藻類


↑藍藻類による汚染
  
(3)地衣類
 地衣類は藻とカビの共生体で、藻の表面にカビが生え、藻が乾燥したり直射日光にさらされるのを防いでいます。一方、カビは藻から栄養をもらって、助け合いながら生活しています。緑色、黄色、だいだい色、灰緑色など様々な色のものがあります。代表的なダイダイゴケは、コンクリートに生えますが名前の通りだいだい色をしています。


↑↓ダイダイゴケによる汚染


(4)コケ類
 建物の外壁に緑色のものが生えると、コケだと思う人が多いですが、これはほとんど藻類で、コケは建物の外壁にはあまり生えません。コケは建物周囲の地面やコンクリートの隙間に生えることが多いです。代表的な種類はハマキゴケです。
        

↑↓ハマキゴケ


(5)建物外壁・塀の汚れ除去
 建物外壁・塀の藻類、地衣類による汚れの駆除、予防には弊社の藻・コケ クリーナーをお使いください。藻・コケ クリーナーは建物外壁や塀に生える藻類、地衣類の駆除、予防、建物周辺に生えるコケの駆除に有効です。

 参考文献:半田信司 2002.  気生藻類. 堀輝三・大野正夫・堀口健雄編「21世紀初頭の藻学の現況」, 
      日本藻類学会,山形

(善)

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