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試験結果
2024/12/01

木材防腐性能試験(ダブルレイヤー試験)4年6ヶ月経過

ダブルレイヤー試験

1.ダブルレイヤー試験(木材防腐性能試験)について

弊社は山梨試験地でダブルレイヤー試験を実施しています。ダブルレイヤー試験は下の図のように木材防腐剤で処理した木板試験体を半分ずつずらして2段に重ね、屋外に放置して経過を見る試験法です。木板試験体の隙間から空気中を浮遊する木材腐朽菌の胞子と雨水が侵入し、試験体間や下部を支える角材との間に滞留することで木板試験体が腐朽します。木材防腐剤がウッドデッキやフェンス、ガーデン家具など木製構築物に使われた場合の耐久性を評価するために有効な試験法です。
ダブルレイヤー試験

2.ダブルレイヤー試験(木材防腐性能試験)結果概要

試験開始から4年6ヶ月経過し、劣化状況を調査しました。弊社製木材防腐剤「クレオトップ」「水性クレオトップ」「九三七一」と他社製木材防腐剤「CP」の上段の試験体表面と、無処理木板で劣化が激しかった上段の試験体裏面、下段試験体裏面、下段試験体木口(端部)の劣化状況を報告します。弊社製品を処理した試験体は、全ての調査個所で健全であり、優れた防腐性能を確認できました。一方、他社製品を処理した試験体は水の溜まりやすい箇所が腐朽し、内部の収縮により変形しています。木材腐朽菌の子実体(キノコ)や、白い菌糸も見られました。(木材を腐らせる木材腐朽菌はキノコの仲間です。本体は菌糸で、腐朽が進行すると胞子を作るため子実体を作ります。)木口(端部)については崩壊している部分もありました。無処理の試験体も同様に腐朽と子実体(キノコ)が見られました。日光と風雨にさらされる水平面という試験条件は非常に厳しく、上段表面の退色は全ての試験体で発生していました。以下に各部位毎の劣化状況を報告します。

3.上段試験体表面の劣化状況

 ダブルレイヤー試験

クレオトップ

 

 ダブルレイヤー試験

水性クレオトップ

 

 ダブルレイヤー試験

九三七一

 

 ダブルレイヤー試験

CP

 

 ダブルレイヤー試験

無処理

 

試験開始時に褐色だったクレオトップ、水性クレオトップ、CPは退色しています。CP、無処理は腐朽が進行し、子実体(キノコ)が生えています。

 

4.上段試験体裏面端部の劣化状況

 ダブルレイヤー試験

クレオトップ

 
ダブルレイヤー試験

水性クレオトップ

 
ダブルレイヤー試験

九三七一

 

CP

 
ダブルレイヤー試験

無処理

 クレオトップ、水性クレオトップ、九三七一は水の滞留による変色はありますが健全です。CP、無処理は腐朽が進んで内部の収縮により表面の凹凸が発生しています。子実体(キノコ)や菌糸、虫食いの穴も見られます。(善)

 

5.下段試験体裏面の劣化状況

  ダブルレイヤー試験

クレオトップ

 

 ダブルレイヤー試験

水性クレオトップ

 
ダブルレイヤー試験

九三七一

 ダブルレイヤー試験

CP

 
ダブルレイヤー試験

無処理

 
下部の角材との間に水が溜まるため両端が変色していますが、クレオトップ、水性クレオトップ、九三七一は腐朽の兆候は見られず健全です。CP、無処理は端部の腐朽が進んで崩壊し、子実体(キノコ)や白い菌糸が見られます。

 

6.下段試験体木口の劣化状況

 ダブルレイヤー試験

クレオトップ

 
ダブルレイヤー試験

水性クレオトップ

 
ダブルレイヤー試験

九三七一

 
ダブルレイヤー試験

CP

 
ダブルレイヤー試験

無処理

 

クレオトップ、水性クレオトップ、九三七一は健全ですが、CP、無処理は腐朽が進んで崩壊し、子実体や虫食いの穴が見られます。

  

7.まとめ

弊社製品の木材防腐剤「クレオトップ」「水性クレオトップ」「九三七一」は、設置後4年6か月経過して退色はあるものの、腐朽は見られず健全です。一方、他社製の木材防腐剤「CP」は無処理試験体と同様に腐朽しており、これがもしもウッドデッキであれば、床板が落下したり、手すりが倒れるなど危険な状態になっています。この試験により、弊社の木材防腐剤はウッドデッキやフェンス、ガーデン家具など屋外木製品にお使いいただいた場合、長期に亘り防腐防虫効果が期待できることが証明されました。ちゃんと効く防腐剤をお使いいただき、安全で快適にウッディーライフをお楽しみください。

クレオトップについて詳しくは<こちらから>
水性クレオトップについて詳しくは<こちらから>
九三七一について詳しくは<こちらから>ご覧ください。
クレオトップ 水性クレオトップ 九三七一