ダブルレイヤー試験について

 
　弊社は山梨試験地でダブルレイヤー試験を実施しています。ダブルレイヤー試験は上の図のように木材保存剤で処理した木製試験体を半分ずつずらして2段に重ね、屋外に放置して経過を見る試験法です。試験体の隙間から空気中を浮遊する木材腐朽菌の胞子と雨水が侵入し、滞留することで試験体が腐朽します。木材保存剤がウッドデッキやフェンス、ガーデン家具など木製構築物に使われた場合の耐久性を評価するために有効な試験法です。

木材防腐性能試験（ダブルレイヤー試験）結果概要

　試験開始から3年6ヶ月経過し、劣化状況を調査して来ました。Vol.2では弊社製木材保護塗料「スーパーウッドステイン」と他社製木材保護塗料「OX」の上段の試験体表面（図の①）と、無処理で劣化が激しかった上段の試験体裏面端部（図の②）、下段試験体表面（図の③）、下段試験体木口（図の④）の劣化状況を報告します。弊社製「スーパーウッドステイン」、他社製「OX」共に、上段表面に剥離が発生しましたが、「スーパーウッドステイン」の方が軽度でした。他の部分は両製品共、汚れによる変色はありましたが、腐朽は見られませんでした。一方、無処理は木材害虫（虫種不明、シロアリではない）による穿孔と腐朽が見られました。

上段試験体表面（図の①）の劣化状況

　日射も風雨も遮る物のない水平面で3年6か月は非常に厳しい条件で、両製品とも剥離していますが、スーパーウッドステインの方が剥離が軽度でした。

スーパーウッドステイン

OX

無処理

上段試験体裏面端部（図の②）の劣化状況

　スーパーウッドステイン、OX共に健全でしたが、無処理は木材害虫（虫種不明、シロアリではない）による穿孔と腐朽が見られました。

スーパーウッドステイン

OX

無処理

下段試験体表面（図の③）の劣化状況

　スーパーウッドステイン、OX共に水の流れる部分に汚れの付着はありますが、腐朽も虫害もなく健全でした。無処理は激しく腐朽し、褐色腐朽菌特有の繊維に垂直方向の亀裂と褐色への変色が見られました。白い菌糸も見られました。

スーパーウッドステイン

OX

無処理

下段試験体木口（図の④）の劣化状況

　スーパーウッドステイン、OX共に汚れの付着はあるものの健全ですが、無処理は激しく腐朽して崩壊していました。

スーパーウッドステイン

OX

無処理

まとめ

　ダブルレイヤー試験で3年6ヶ月経過し、無処理の試験体は腐朽、虫害が激しかったのに対し、弊社製品の木材保護塗料「スーパーウッドステイン」、他社製の「OX」は、共に腐朽、虫害がなく健全でした。「スーパーウッドステイン」、「OX」共に、上段表面に剥離が発生しましたが、「スーパーウッドステイン」の方が軽度でした。この試験により、弊社の木材保護塗料「スーパーウッドステイン」はウッドデッキやフェンス、ガーデン家具など屋外木製品にお使いいただいた場合、長期に防腐防虫効果が期待できることが証明されました。（善）