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試験結果
2022/11/18

ダブルレイヤー試験2年7ヶ月経過  

ダブルレイヤー試験


山梨試験地でダブルレイヤー試験を開始して2年7か月が経過しました。野外杭試験の経過<木材防腐剤野外杭試験5年経過! - コラム (ysds.co.jp)>は4月にお知らせしましたが、弊社ではダブルレイヤー試験も実施しています。ダブルレイヤー試験は図1のように、地面の上にブロックを置き、その上に角材を渡し、さらにその上に2段の試験体(防腐剤で処理した板材)を幅半分ずらして並べます。これを屋外に暴露します。空中を浮遊している木材腐朽菌の胞子が、雨水と共に試験体の隙間に沿って侵入して発芽し、試験体を腐らせます。



 

こちらは、試験体(右の板材)を取り除いた台の部分です。ダブルレイヤー試験では、試験体が土と触れないため、土の中の菌やシロアリによる劣化はありません。そこで、空気中を浮遊する木材腐朽菌による劣化に限定して耐久性を見ることができます。ウッドデッキや木製フェンス、パーゴラなどの屋外木製構造物は、接合部、木材同士や基礎などと接する部分、釘穴など、水が溜まりやすい場所が腐りますが、このような腐朽に対する耐久性を確認することができます。

水が溜まって腐りやすい下段の試験体の表面(図1.①)、下段の試験体の裏面端部(同②)、下段の試験体の側面(同③)、下段の試験体の木口(切断面)(同④)の設置して2年7か月後の写真をご覧ください。

 

 

こちらは試験体の表面です。中心に上段の試験体の隙間から雨水が流れてくるため、汚れの筋がついています。クレオトップ、水性クレオトップは汚れているだけですが、競合品Pと無処理は中心部が腐朽して黒く変色し、白い菌糸(木材腐朽菌の本体)が見えます。競合品Pは亀裂も発生し、無処理品よりも劣化が激しいです。

 


こちらは、試験体の裏面端部です。クレオトップ、水性クレオトップは下の角材と接していた部分が湿っていて黒く見えますが、腐朽はありません。一方、競合品Pと無処理は角材と接していた部分が白い菌糸(木材腐朽菌の本体)に覆われ腐朽しています。競合品Pには大きな子実体(キノコ)が生えています。木材を腐らせる木材腐朽菌はキノコの仲間で、本体は白い菌糸ですが、胞子を作るために子実体(キノコ)を作ります。

 


こちらは、試験体の側面です。クレオトップ、水性クレオトップは健全ですが、競合品Pと無処理は菌糸が発生し、腐朽しています。

 


 

こちらは、試験体の木口(切断部)です。競合品Pと無処理は、菌糸が発生し、腐朽しています。写真をご紹介した4か所共に、クレオトップ、水性クレオトップは腐朽していませんが、競合品Pと無処理は腐朽していました。競合品Pと無処理には何ら差がなく、競合品Pに防腐効果は認められませんでした。室内防腐防蟻試験、野外杭試験に続き、今回の試験でも効果の証明された弊社の木材防腐剤クレオトップについて詳しくは<こちらから>、水性クレオトップについては<こちらから>ご覧ください。(善)