TOP > コラム > フローリング材を加害する害虫
対策情報
2019/01/28

フローリング材を加害する害虫

フローリング材から木屑や虫の孔が多数開けられておりお困りと言うことで、弊社にご相談をいただきました。1.8mの被害材を送っていただき、どの様な虫がいるのか調査しました。上部の写真は木屑ががっちりと詰まっていたのですが錐で取り除いたところ太さ5mm横幅10cmほどの虫孔が確認できました。

↓こちらも5mmの虫孔ですが奥に幼虫のおしりが動いています。

↓ピンセットでは取り出せないので鋸で材を切っていきます。かなり硬く切りづらいのですが、よくこんな硬い木を幼虫が穿孔するなと驚いてしまいました。

↓取り出したところ体長10mmの幼虫が確認できました。冬ですが活発に動いており栄養状態が良いようです。

 
↓1mmの虫孔も多数確認できました。

↓もう一方のフローリング材では体長5mmの成虫を発見しました。こちらも活発で調査中に羽を広げて飛び出しそうになるくらいです。

これらを現場で同定しようと試みたのですが、どの文献にも載っておらず徒労に終わりました。そこで弊社の害虫コンサルタント奥村先生(奥村防蟲科学株式会社)に同定を依頼しました。幼虫はホソナガシンクイムシで、成虫はジャワフタトゲナガシンクイでした。両方とも東南アジアに生息し、広葉樹を好んで加害して、硬い木材でも容易に穿孔してしまいます。対応策として白アリスモークマンによる倉庫の燻煙、光トラップで成虫の捕獲を提案しました。輸入材は害虫が潜んでいる可能性がありますので、持ち込みには注意していただきたいと思います。

・白アリスモークマンは紹介ページへ